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2017年01月26日(木)

ついにシカの捕獲に成功 野生動物捕獲実習

1月23日(月)、4回シリーズで開講する「野生動物捕獲実習」、最終日ついに、ニホンジカ二頭の捕獲に成功しました。この日の実習は、猪鹿庁の興善さんに講師をお願いし、郡上市大和町の山林で巻狩りを体験しました。

  

 

巻狩りは、勢子が獣を追い出し、あらかじめ配置についた射手がそれを射止めるグループ猟のことです。勢子は、銃を扱えない私たちが担当。射手は、猪鹿庁の興善さん、安藤さん、地元ベテラン猟師の坪井さんに担当していただきました。

巻狩りでは、獲物の逃走コースの予測や射手・勢子の配置と連携など猟に先立ち入念な打合せを行います。過去のデーターから、獣の逃走コースを破線のとおりと予想し、射手を✖️印に配置し、勢子はA地点から稜線伝いに追い込みをかける作戦となりました。

 

打合せの後、各自持ち場に向かい射手の配置完了の合図を待ちます。やがて配置完了の無線連絡が入り、いよいよ山に入ります。冬の大和町、山中はさすがに積雪も多く、途中からカンジキをつけての移動となりました。この日使用した樹脂製カンジキは、軽量で付け外しが容易なうえ、雪離れの良い優れもの。快適な雪中歩行をすることができました。

 

 

山中には、いたるところにけものの痕跡が見つかり、期待が膨らみます。急な登りでは息も切れますが、精いっぱい声を出し勢子の役割を果たします。

いよいよ、コースが終盤にさしかかったころ、銃声が立て続けに聞こえてきました。しばらくの静けさの後、無線連絡で捕獲の成功が確認されると勢子班にも歓声が上がりました。

 

射止められたのは2頭のニホンジカ、射撃地点は安藤さんが配置に付いたS2ポイントです。安藤さんによれば、打ち合わせどおりのコースから10頭ほどの群れで移動してきたそうです。

使用された銃器は、12番ゲージの上下2連散弾銃、弾はスラッグ弾(一粒弾)が使われました。弾丸は、親指の先ほどの大きさがあり、その威力はすさまじいものがあります。このような銃と弾丸の組み合わせは、比較的近距離で移動する標的を撃つシカ・イノシシの巻狩りによく用いられます。

 

今回の猟の所用時間は、約2時間、勢子班の移動距離は約1.5km。雪中行軍も楽ではありませんが、体を動かしいるので寒さは感じません。一方、射手は、雪の中に身を潜め、長時間寒さに耐えなければなりません。あなたならどちらをやりたいと思います?

猟の後は、坪井さんの解体施設に移動し、内臓処理作業を見学させていただきました。作業は、手際よく、かつ内臓を傷つけないよう、とても丁寧に行われました。

ちょうど昼時となり、坪井さんのご厚意で、シカやイノシシの内臓の試食させていただくことができました。部位は、レバーと心臓、採れたての内臓を食せるのはハンターの特権です。

秘伝のタレをつけて焼いた、採れたて内臓のうまさは格別です。皆、食べるのに夢中で、写真を撮るのも忘れてしまい、気づいた時にはこんな状態。

今年で、3回目となる巻狩り体験実習ですが、獲物が獲れたのは、今回が初めてです。今回参加した学生は、勢子、捕獲、解体までフルに体験でき本当に幸運でした。

猪鹿庁の興善さん、安藤さん、地元猟師の坪井さん貴重な学びや実体験の場を提供いただき本当にありがとうございました。

命をいただいた二匹のシカにも感謝です。

以上、報告は担当伊佐治でした。